・ドイツで１８９３年に制作されたｼｭﾀｲﾅｰモデルの大人用ヴァイオリンです。大きな特長はヘッドがスクロールではなく、非常に丁寧に彫られた＜ライオンヘッド＞であることです。過去に10本以上のドイツorオーストリア製のライオンヘッドのヴァイオリンを扱ってきましたが、その彫刻が過去に見た事の無い非常に丁寧に加工されたものです。またこのヘッドは同様に非常に丁寧な仕事で継ネックを施されたものです。全体的に綺麗な外観のボディーですが、1か所だけ表板の左f字孔下部に10㎝程度のクラック跡が見られます。経年からくるニスの劣化や汚れも一部に見られましたので、クラック部の確認と内部清掃も含め、一旦表板を完全に外し清掃と内部確認を行いました。クラック部は演奏には全く影響の内容に修復されていましたが、今後クラックが再発しないようにパッチ材で接着を行い、またセンター部の2枚の板の接着部もパッチ処理を行っています。裏板のセンター部は50年～80年前にパッチ処理がされていました。表板のスプルースも裏板のメープルもモダン・ヴァイオリンを十分に感じさせる趣のある木材で丁寧に造られ、シッカリ年輪と杢目が出た良い材質の木材が使用されています。内部のラベルには「Ｊａｃｏｂｕｓ　Ｓｔａｉｎｉｎｇｅｒ　Ｓｈｕｒｆｕ”ｒｉｔｌＭａｕ”ｎｋｉｆｃｈｅｒ　sof　Eanten　uno　seigen.　macher　１８９３（or97?）」と書かれています。・肝心の音については130年弱の経年から十分に乾燥されたボディーが醸し出す角の取れた枯れた深めの音と高音域も心地よい透明感のある音色が印象的です。音量もかなり大きな音で鳴ってくれます。ただ音に関しては人様々の感じ方がありますので、へたくそで聞きずらい演奏ですが、音源としてyou　tubeにアップしていますので、関心のある方はＵＲＬをコピペの上お聞きください。 ・付属品：ケースは古いものですが、趣のある木製の三角型のモノが付属します。弓は付属しません。弦:新品のナイロン弦を張っています。フィッティング類：オリジナルの元々セットしてあったもので、特にペグやテールピースは国内では見た事の無い特徴のあるモノがセットされています。・重量：フィッティング込みで５０２ｇ・サイズ:全長ー５９８ｍｍ、ボディー３５９ｍｍ　アッパー166mm、ミドルー108mm、ロアー203ｍｍ。　ネック長：131mm　ボディーストップ長：204mmと８ｍｍ程度長めの弦長になるため、325mmの通常の弦長になるように駒位置と魂柱位置を調整しています。